近年、社会問題として注目されている「空き家問題」。空き家を放置しておくと、様々なリスクが発生する可能性があります。
本記事では、空き家管理の重要性と具体的な管理方法について解説していきます。
空き家問題の実態とリスク
増加する空き家
総務省の調査によると、日本の空き家数は年々増加しており、2023年には900万戸に達しました。
これは全住宅の約13.8%を占めており、今後も増加していくと予想されています。
○ 空き家数は900万戸と過去最多、2018年から51万戸の増加、空き家率も13.8%と過去最高
○ 賃貸・売却用や二次的住宅(別荘など)を除く空き家が37万戸の増加
空き家を放置することのリスク
空き家を放置しておくと、以下のようなリスクが発生する可能性があります。
- 建物の老朽化: 雨漏りやシロアリ被害などにより、建物が倒壊する危険性があります。
- 景観の悪化: 雑草が生い茂ったり、ゴミが放置されたりすることで、周辺の景観が悪化します。
- 治安の悪化: 空き家は犯罪の温床になりやすく、放火や不法侵入などの被害に遭う可能性があります。
- 衛生上の問題: ネズミや害虫が発生し、周辺住民の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 固定資産税の負担: 空き家であっても固定資産税は課税されます。
空き家を放置しておいたことで、近隣に迷惑をかけてしまい、行政から是正勧告を受けてしまうようなこともあります。
空き家問題は、放置すればするほど解決が難しくなり、所有者にとって大きな負担となります。
空き家管理の重要性
空き家管理のメリット
空き家を適切に管理することで、上記のようなリスクを回避できるだけでなく、以下のようなメリットも得られます。
- 資産価値の維持: 定期的なメンテナンスを行うことで、建物の資産価値を維持することができます。
- 収益化の可能性: 空き家を賃貸住宅や民泊として活用することで、収益を得ることができます。
- 地域貢献: 空き家を地域活動の拠点として活用することで、地域社会に貢献することができます。
周辺相場や入居者のニーズを検討した上でですが、空き家を賃貸アパートにすることで、安定した収益を確保することができた例などは多くあります。
空き家管理に関する補助金・助成金制度
自治体の空き家管理に関する補助金・助成金制度や税の軽減措置を有効活用して、空き家管理の負担を軽減しましょう。
以下は一例として、下関市が実施している補助金制度です。
宅地建物取引業者または管理業者に依頼して行う、空き家の外観調査、内部換気に要する費用の一部を補助します。補助金の額は、外観調査を含む管理業務の場合は毎月最大2,000円、内部換気を併せて行う場合は毎月最大5,000円です。
各自治体でこうした制度が積極的に行われていますので、申請期限や必要書類を確認し、早めに準備を進めることが重要です。
流山くらし不動産では、これらの手続きに関してスタッフがサポートしますのでぜひご相談ください。
具体的な空き家管理の方法
空き家管理の方法には、大きく分けて以下の3つがあります。
ご自身での管理
ご自身で空き家を管理する場合は、定期的な清掃や換気、建物の点検などを行う必要があります。遠方に住んでいる場合は、頻繁に空き家を訪れることが難しいため、管理が行き届かない可能性があります。
不動産会社への委託
不動産会社に空き家管理を委託する場合は、委託費用が発生しますが、専門的な知識と経験を持つ業者に管理を任せられるため、安心です。委託費用は、管理内容や建物の規模によって異なりますが、月額数万円が一般的です。
自治体への活用提案
自治体によっては、空き家の活用を促進するための制度を設けている場合があります。空き家を地域活動の拠点として活用したり、移住希望者に提供したりすることで、地域活性化に貢献することができます。
空き家管理を始める前に知っておくべきこと
空き家管理を始める前に、以下の点を確認しておきましょう。
- 建物の状態: 専門業者に依頼して、建物の状態を詳しく調査してもらいましょう。
- 予算: 管理方法によって費用が大きく異なるため、予算に合わせて管理方法を選びましょう。
- 目的: 空き家を将来的にどのように活用したいのか、目的を明確にしておきましょう。
専門家が調査する項目は、外観、内装、周辺環境です。具体的には外壁、屋根、基礎などをチェックしたり、設備の劣化などを確認します。
調査結果をもとに空き家の活用方法について有益な提案をしてくれる場合もあります。
まとめ|空き家管理は「早め早め」が鉄則!
空き家管理は、「早め早め」に対策を始めることが重要です。建物の状態や予算、目的に合わせて、最適な管理方法を選びましょう。
最後に空き家の所有者の方からよく寄せられる質問を記載しておきます。
Q1:遠方に住んでいて、頻繁に実家に戻れないのですが、どのように管理すればよいですか?
A1: 遠方に住んでいる場合は、空き家管理を専門とする業者に依頼したり、防犯カメラやセンサーライトを設置したりするなど防犯対策を徹底することが有効です。
Q2: 空き家の管理費用はどんなものがかかりますか?
A2: 空き家の管理費用は、光熱費、固定資産税、火災保険料などの基本的な費用に加え、管理代行サービスを使う場合は、月額1万円~数万円程度の費用がかかります。また別途リフォームや修繕が必要になる場合があます。
Q3: 空き家を放置し続けると、どのような問題が発生しますか?
A3: 空き家を放置しておくと様々な問題が生じますが、管理が行き届いていない「特定空き家」に指定されてしまうと、所有者に対して市町村長から助言・指導・勧告・命令が出され、それでも改善が見られない場合は行政代執行が行われたり、50万円以下の過料が科せられる可能性があります。また、固定資産税の住宅用地に対する軽減措置が適用されなくなります。
空き家を放置することは、所有者だけでなく、周辺住民や地域社会にとっても大きなリスクとなります。
流山くらし不動産では、あなたの空き家管理についてご相談をお受けします。詳しい情報や相談は、流山くらし不動産の公式サイトをご覧ください。
適切な管理を行うことで、問題を未然に防ぎ、安心して暮らせる環境を守りましょう。