「空き家」にも火災のリスクは付きまといます。火災が発生すると、建物だけでなく、近隣にも被害が及ぶ可能性があり、多額の損害賠償責任を負うことも考えられます。
空き家を所有している、あるいはこれから相続する予定がある方は、火災保険についてしっかりと理解しておくことが大切です。この記事では、知っておきたい火災保険に関するポイントを解説します。
空き家の火災リスク~火災保険で守れるもの、守れないもの~
空き家は、人が住んでいないため、火災の発見が遅れ、被害が拡大しやすい傾向があります。また、放火や不審火のリスクも高まります。
空き家の火災原因
放火: 空き家は、人目につきにくいため、放火のターゲットになりやすいです。
不審火の恐怖: たばこのポイ捨てや漏電など、原因不明の火災が発生する可能性もあります。
設備の老朽化: 電気配線やガス管などの老朽化により、火災が発生するリスクがあります。
自然災害の脅威: 落雷や地震など、自然災害による火災の可能性もあります。
不審火の割合
最新の消防庁の統計データ(令和5年版)によると、総出火件数は38,659件です。
そのうち放火および放火の疑いによる火災は全体の約10.6%を占めています。
総出火件数の 38,659 件の出火原因別の内訳は、件数の多い順に、「たばこ」3,493 件(9.0%)、「たき火」3,472 件(9.0%)、「こんろ」2,837 件(7.3%)、「放火」2,487 件(6.4%)、「電気機器」2,202 件(5.7%)となっています。
「放火」及び「放火の疑い」を合わせると 4,106 件(10.6%)で、その件数が多い都道府県は、件数の多い順に、東京都 642 件(14.7%4)、神奈川県 303 件(14.8%)、埼玉県 275 件(13.8%)、愛知県 273 件(13.4%)、千葉県 249 件(11.8%)となっています。
空き家でも火災保険は必要?~補償範囲と保険料のバランス~
空き家であっても、火災保険への加入は強く推奨されます。
火災が発生した場合、建物の再建費用だけでなく、近隣への損害賠償責任も負う可能性があるからです。
近隣への延焼: 火災が近隣に延焼した場合、多額の損害賠償責任を負う可能性があります。火災保険に加入していれば、この損害賠償費用も補償されます。
法的責任: 火災の原因が所有者の管理不備にあると判断された場合、法的責任を問われる可能性があります。火災保険は、このような法的トラブルに対応するための費用も補償してくれる場合があります。
空き家の火災保険は、補償範囲と保険料のバランスを考えて選ぶことが重要です。
補償範囲が広ければ安心ですが、保険料も高くなります。
空き家の状況に合わせて、最適なプランを選びましょう。
空き家の火災保険、通常の住宅と何が違う?~見落としがちなポイント~
空き家の火災保険は、通常の住宅の火災保険とは異なる点があります。
保険料: 空き家の火災保険は、通常の住宅よりも保険料が高くなる傾向があります。これは、空き家の火災リスクが高いと判断されるためです。
補償内容: 空き家の火災保険では、補償対象が限定される場合があります。例えば、盗難や水濡れ被害などは補償されないケースがあります。
加入条件: 空き家の火災保険に加入するには、一定の条件を満たす必要があります。例えば、定期的な巡回や管理体制の整備などが求められる場合があります。
専門家のアドバイスによると、空き家の火災保険を選ぶ際は通常の住宅用火災保険ではなく、「空き家専用火災保険」を検討するのがよいとのこと。
空き家専用火災保険は、空き家の特性に合わせた補償内容となっており、より安心して利用できます。
空き家の火災保険、保険料はどうやって決まる?~賢く節約するコツ~
空き家の火災保険料は、以下の要素によって決まります。
保険料の算定
建物の構造: 木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、建物の構造によって保険料が異なります。木造は火災リスクが高いため、保険料も高くなる傾向があります。
建物の面積: 建物の面積が広いほど、保険料も高くなります。
所在地: 都市部や郊外、山間部など、所在地によって火災リスクが異なるため、保険料も変わります。
補償内容: 補償範囲が広いほど、保険料は高くなります。
専門家からのアドバイス
保険料を節約したい場合は、以下の点も検討してみましょう。
長期契約: 長期契約することで、保険料が割引になる場合があります。
複数の保険をまとめる: 自動車保険や生命保険など、他の保険とまとめて契約することで、割引が適用される場合があります。
セキュリティ対策: セキュリティ対策を強化することで、保険料が割引になる場合があります。
火災保険契約時の注意点~トラブルを防ぐために~
火災保険契約時には、以下の点に注意しましょう。
告知義務: 保険契約時には、保険会社に対して、建物の状況や利用状況などを正確に告知する義務があります。告知義務違反があると、保険金が支払われない場合があります。
補償内容の確認: 契約前に補償内容をしっかりと確認し、必要な補償が付いているか確認しましょう。
保険証券の保管: 保険証券は大切に保管し、紛失しないようにしましょう。
不明な点や不安な点があれば、契約前に遠慮なく保険会社や代理店に質問しましょう。また、契約後も定期的に保険内容を見直し、必要に応じて変更するようにしましょう。
まとめ|空き家の火災保険は安心のために
空き家は、火災のリスクが高いため、火災保険への加入は非常に重要です。万が一の火災に備え、適切な補償内容と保険料の火災保険を選び、安心して空き家を管理できるようにしましょう。
この記事では、空き家と火災保険について解説しました。
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